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いつも毎日だらだらと続くチャットによると、今日は流星群が見れるかもしれないとのこと。
友人と話をしながら、遅くまで待った
暇つぶしの方法は事欠かない友人
何時の間にか4時を回り、そろそろ見てみようかと言い、立ち上がる。
階段を降り、玄関。
スリッパを履き、なるべく音を立てないように扉を開け、家を出る
まだ10月にさしかかったばかりだと言うのに冷たい風が吹いている
先には手すりと歩道
手すりに腰掛けあたりを見回す
深夜といえども街灯が虫を誘っており、星をみるには適さない。
街灯が作る影が、やたらと長く暗い
影は3本、できていた。
パジャマ代わりのジャージでは寒いので、タバコに火を付け
吸い終わったらもどろうと決めつけ空を仰ぐ
物音はしない、静かな時間だった。
春とは違い、雲の加減もあるのか星の数が少ない
目を凝らしてようやく空に針の穴が開く
建物に囲まれているとはいえ、数えられるほどの星しか見えないなら流星群など見えないだろう。などと思いながらも、座り続けて鈍った身体を冷えた空気がほぐしてくれるような気がして
しばらくそのままでいた。
自転車が通り過ぎる。
僕は動かない。
遠くを走る自動車の音が通り抜ける。
僕は動かない。
やがて、タバコは短くなり、最後の白い息を吐き出す
僕は動き出す
流れ星は、みえなかった
残念と思いながらも、なぜか満足した気持ちで
また家の扉を開ける
そうして今日もあたたかい布団に入るのだ
おやすみ。